<連載>私たちの働き方ドキュメンタリー
- 2020年8月テレワークの問題点が浮き彫りに
- 2020年12月ぼんやり見えてきた新たな可能性
- 2021年5月工夫を重ねた結果の仮想空間
- 2022年1月独自のDXへ進化
- 2022年以降の未来へDXとはプロセスの構築
- まとめ
今回は「私たちの働き方ドキュメンタリー」第三回となります。
第一回では「シェアオフィスへの移転と業務環境をクラウドで運用」、第二回は「オンラインによるコンタクトと外線電話の改善」について2020年2月から2020年6月頃までをご紹介してきました。今回の第三回は2020年8月から2021年5月、そして2022年1月までの当社の働き方についてお伝えしてまいります。
2020年8月
テレワークの問題点が浮き彫りに
2020年夏に56年ぶりに開催予定だった東京オリンピックも延期が決まり、当社もテレワークへ全面移行して約1年を経過する頃となりました。「テレワークを単なる在宅業務にしない」というコンセプトを持ち、慣れないテレワークに「改善と工夫」を重ね業務を順調に進めることはできました。
しかし、一方でこの頃になるとテレワークの最大の問題点にぶち当たることになります。それは社員同士のコミュニケーションです。これまでの期間中も月1回程度はコミュニケーションのため全体出社など適宜集まる機会を設けてきましたが、やはりテレワークの常態化に伴い何気ない会話や時間の共有が失われ、気付かないうちに孤独や疲労を感じていくような社員も増えてきました。
実際、「コミュニケーションの日」を設定した当日は、それぞれの部署やセクションにおけるちょっとした会話がエネルギーとなり、瞬間的に蓄えたエネルギーをまた翌日からの日常のテレワーク業務の活力としていたように感じました。結果的に帰属意識の必要性や時間を共有すること、ちょっとした会話や雑談は実は活動のエネルギーの要素であること、そして同時にテレワークの大きな課題であることも実体験として捉えることができました。
2020年12月
ぼんやり見えてきた新たな可能性
この頃になると、社会経済ではテレワークへの対応格差が報道され、コロナ禍でも出社することに対して、「大手企業と中小企業」、「デスクワーカーと現場主導ワーカー」などの比較論や「電話対応やハンコ文化のための出社」、「中小企業のテレワーク未対応の理由」など国内企業のITへの対応力の低さが露見され、社会的なデジタル社会問題へと発展し今まさに直面しているDX(デジタルトランスフォーメーション)への転換期へと向かうこととなります。
当社においては、第二回の本記事でも綴りましたが、テレワーク開始時からZoomやTeamsなどを利用し、勤務中はパソコンの画面に社員の顔が平面的に並ぶオンライン業務を社員の状態管理として採用してきました。この運用はサポート業務を担当する当社の業務遂行においては必要不可欠な運用方法でした。しかし、この頃から新たなオンラインコミュニケーションツール「仮想空間」の概念やサービスが社会で少しずつ注目を集めるようになり、今後のテレワークの補助ツールとしてだけでなく非対面でも世界に拡がるコミュニケーションツールの可能性さえ想像させるものが続々と誕生してきました。当社も社員同士のコミュニケーションの課題に対して、また社外の非対面経済活動にどのような影響をもたらすのか、あらゆるツールを検証し平面から立体の空間概念に新たな可能性を感じることとなります。そして、これら仮想空間の概念を当社の独自の概念と照らし合わせて設計し開発することとしました。
2021年5月
工夫を重ねた結果の仮想空間
色々と工夫と改修を続けた結果、社内にいよいよ「仮想オフィス空間」が誕生しました。
この仮想空間は、社員ひとりひとりがアイコンとして表現され、アイコンには自分の表情が映像で配信される仕組みをベースに、アイコンは自由に空間を移動して重なりあったアバター同士が会話できる雑談機能など、オンライン上のコミュニケーションツールとして利用することになります。
この仮想空間の導入により、社員同士が集まる構造が出来あがり、毎朝の”おはよう”と終業時の”お疲れ様”という以前は当たり前に行われていたことが改善されると、同時に毎朝の出社ルーティンは会社の一員であることを再認識するようになり、業務中のちょっとした雑談は問題や課題の早期解決や雑談によるひらめきの力へと繋がるようになっていきました。また、近年テキストによるコミュニケーションツールとしてビジネスチャットの採用も進んでいますが、当社も数年前からSlackを情報の共有だけでなく、個々の活動記録として利用していたため、仮想空間でのコミュニケーションとSlackによる情報の共有が企業活動の生産性を押し上げることに寄与しています。
2022年1月
独自のDXへ進化
このように当社はコロナ禍を契機にテレワークを実施し、そのテレワークを単なる在宅にしないための工夫を重ねて当社なりの業務環境を構築してまいりました。まだまだ、改善の余地もあり、当社独自のDXはまだまだ進化をさせていくことになります。
コロナ禍によってわたしたちのこれまでの生活はリセットに等しいほど新たな環境変化と環境創造を求められ、恐らくコロナ禍収束後も以前と変わらぬ生活に戻ることはほぼないと考えられます。当社においてもその働き方はテレワーク業務の定着化により、業務の生産性向上の工夫と改善、社員ひとりひとりに目を向ければ移動時間の削減、時間外の活用など可処分時間が生まれ、これからの社会活動に大きな参考になる活動期間として捉えています。そして、これらの活動内容や経験値をお客様へ還元していかなければならないと考えています。
2022年以降の未来へ
DXとはプロセスの構築
しかし、これからわたしたちが考えなければならないことは、DXという抽象的な概念に囚われるのではなく、ましてやベンダーが製品を売りたいがために掲げるベンダー主導のDXなどではなく、まずは今の事業活動のデジタル化によって生産性を向上させ、リソースの再配分ができる事業環境を段階的に構築していくことを目標に、その先にそれぞれ独自のDXを明確にし、収益構造の改革、新たな事業創造、イノベーション、デジタル技術を駆使したトランスフォーメーション(変化)をしていくプロセス構築が必要なのではないでしょうか?
まとめ
さて、これまでの「わたしたちの働き方ドキュメンタリー」を通して、
当社の取り組みや働き方の変化が、少しでも事業者の皆様に参考になればと思い、おこがましくもご紹介をさせて頂きました。今もまだコロナとの戦いは続いており、社会経済の大きな転換期の真っ只中ではありますが、当社の活動の約2年間の経過のご紹介をこのシリーズの区切りとして、また今後の活動状況をご紹介できる時期を見計らってお伝えしていこうと思います。