近年、ITサービスやコンピューターリソースの調達に、クラウドサービスが採用されることが増えています。例えば、ITツールではMicrosoft365(旧称:Office365)、Zoom、Slack、コンピューターリソースであれば、MicrosoftのAzure VM 、AWSのEC2などが代表的な例として挙げられます。
一方で、法人がそれらITサービスを利用する場合の支払い方法(決済方法)がクレジットカードによるものが増えています。
今回は、世界でも非常に多くの利用者がいるAWSのお支払い方法に関して、多くのお客様からご質問を頂いておりますのでご紹介したいと思います。
1. 世界のITを変えた仕組み
AWSとは、小売業世界最大手Amazonの子会社Amazon Web Servicesが運営するコンピューターサービスをクラウドで提供する企業です。
個人でも大企業でも中小企業でも同じ品質のコンピューターサービスを利用することが出来るサービスです。
その特徴は、使いたいときに使えて、使った分だけを支払う従量課金であること。
ひと昔前、社内のサーバーラックにサーバーがたくさん収納されていたことを考えると、今ではそれら高額なハード、ソフト、ネットワークを手元に置かなくても良くなった。と言えます。この仕組みが世界のコンピューターシステムを大きく変えた理由です。
2. 故に法人には課題が
しかし、ここで理解しておきたい点が2つ挙げられます。
ひとつは、ITに携わるベンダー構造が変わったこと。
これまではベンダー側は顧客の予算に応じてITを提案し納入する、いわゆるIT機器の販売ビジネスでした。しかし、AWSが世界に瞬く間に拡大した要因のひとつとして、顧客が直接AWSのサービスを受けることができるようになったという点は、明らかにITに携わるベンダーと顧客の構造が変化しました。これは、AWSに限らず欧米主体で提供されるサービスをはじめ国内のITサービスにおいても、顧客に対して直接サービスをお届けできる仕組みに大きく変化しています。
そしてもうひとつは、決済手段です。
顧客は直接サービスを契約できるという一方で、その決済手段はクレジットカードでの支払いが多く用いられるようになりました。使ったら使った分だけという従量課金は月々変動し、AWSは米国企業であることからドル建ての為替による円支払いとなります。
ここに日本国内企業がAWSを採用する際の大きな障壁が生じられていると言われています。
法人名義のクレジットカードを準備する必要があること、為替変動による経理処理の面倒などが挙げられるでしょう。特に、法人クレジットカードは社員や従業員が簡単に利用できるものはではく、社員が個人のクレカを登録し、後日精算をするなんていう話も聞きます。しかし、それも最適な運用ではなくどこかで運用面に支障を来たすことになることでしょう。
3. AWSの決済方法とその違い
そこで、多くのお客様から寄せられるご質問として、クレジットカードを利用せずにAWSを利用できる方法はないか?ということでした。
今回は法人向けでAWSの利用に伴う支払い方法についてご紹介したいと思います。
*AWS社との個別の条件や契約による支払いについては含みません。
まず、基本的にクレジットカードを利用した場合は、Amazonで買い物をするときと同様にAWSのコンソール*を通じてクレジットカード登録をしてサービスを利用できるようになります。
*コンソールとはいわゆるAWSが提供するコントロールパネルのような仕組みです。AWSを利用する場合は、すべてこのコンソールからコンピューターの起動や設定を行います。
当月に利用したAWSの利用料金は、翌月のクレジットカード請求書の明細に反映されます。明細には外貨(ドル建て)で取り決められた為替レートの円換算で請求されます。
そして、クレジットカードを利用しない方法として、AWSのリセラーを通じてAWSを利用する仕組みです。近年、ITベンダーがAWSのパートナーとなり、リセラーという制度の中でAWSを顧客に届けるビジネスがあります。いわゆるリセラーによる請求代行サービスです。
仕組みとしては、<AWSの課金+請求代行業務=円による請求書払い>が一般的で、請求代行手数料はAWSの課金に対して数パーセントの設定や一律の手数料設定などがありますので、各リセラーのサービスを確認してみましょう。また、リセラーによってはAWSの構築支援、運用支援、AWSのサポートなどのサービスを顧客が利用することで、特典や割引などが適用される独自のプランなどがあります。
クレジットカードによる支払いとリセラーによる調達の大きな違いは、クレジットカード支払いは、顧客がAWSと契約を直接結ぶことです。
リセラー経由は、顧客はリセラー(パートナー)と契約することになります。
特に最近ではAWSのリセラービジネスが台頭しており、上記にも触れたようにAWSの技術支援や特典などが選択の決め手となるようです。
今後、ITサービスとしてAWSを検討されるのであれば、AWSリセラーを検索して、Google検索で「AWS 請求代行」で検索すると見つけやすいです。
また、普段からお付き合いのあるIT関連ベンダーさんなどにもご相談してみても良いかもしれませんね。
参考までに、株式会社インストラクションもAWSのパートナーであり、Windowsの業務システムをAWSで運用するサービスなどを提供しております。
AWSをご検討お客様は一度ご参考に。
・クラウドのITシステムを運用保守
・OBC社の勘定奉行や弥生社の弥生会計などをクラウド化