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インターネットが遅いときどうする!?

インターネットが遅いときどうする!?

インターネットが遅いときどうする!?

新型コロナウイルスの感染予防対策で、テレワークも日常のワークスタイルのひとつとなりました。その時に必要不可欠なのが、インターネット回線。オフィスでも外出先でも、そして自宅でも今やインターネット回線がないと仕事になりません。そのインターネットですが、時々機嫌が悪くなることを経験したことはありませんか?その時の症状は様々あると思います。これらはどこに原因があるのでしょうか。インターネットの通信速度が低下したときに考えられる原因を紹介しながら対処方法をお伝えします。

 

1. 症状

インターネットが遅い時には、様々な症状があります。また、またパソコン自体のトラブルとの切り分けも必要になります。先ずは症状を見極めましょう。インターネット通信が遅くなると、主に以下のような症状が出ます。

  • Web閲覧で画像が遅れて表示される
  • ダウンロードに時間がかかる
  • メールの送受信でエラーが出る
  • Web会議で画面が時々固まったり音声が途切れる、など

これらの症状は、ほぼインターネット通信が遅くなったり、一時的な通信切断(瞬断)が行った場合に現れる現象です。これとは別に、ブラウザやメールソフトの起動が遅いときや、アプリケーションソフトの画面切替えの動きが遅い、ファイルを開いたり保存するのに時間がかかる、アプリケーションソフトが異常終了するなどは、パソコン本体やWindowsなどのOSに起因するトラブルであることが考えられます。

 

2. 原因と対策

インターネットが遅くなる原因は何処にあるのでしょう。大きく分けて4つのポイントがあります。可能性が大きい順番に記載しますので、この順番で調べることで効率よく原因を特定することができ早い解決が見込めるでしょう。

 

・無線LAN(Wi-Fi)の問題

自宅ではスマートフォンなどのインターネット通信用に無線LANが用意されているケースが多いと思います。テレワークでは、その無線LANを利用してインターネット通信を行います。無線LANの通信では、親機はルータ、子機がパソコンやスマホになります。先ずはそれぞれのデバイス(パソコンやスマートフォンなどインターネットを利用する機器)で同じ症状が出ているかどうかを確認しましょう。どのデバイスでもインターネットが遅い場合、親機のルータに問題がある事が考えられます。一度電源を入れ直す事で症状が改善する場合があります。また、それぞれのデバイスで状況が違う場合は、問題となっているデバイスを親機に近づけて電波強度を表すアンテナサインを確認したり、電源を入れ直してみて下さい。パソコンなどは有線LANに切り替えてみる事で問題の切り分けができます。

 

・プロバイダの問題

インターネットを利用するには、必ずインターネットサービスプロバイダを経由してインターネットに接続します。このプロバイダで通信障害や遅延などが発生している場合が考えられます。全てのデバイスで症状が出ている場合で、ルータの電源を入れ直しても状況が変わらない場合は、契約会社に問い合わせましょう。

 

・輻輳の問題

通信回線に大量のアクセスが集中して混雑することを輻輳(ふくそう)といいます。最近では、OS(Windowsなど)のアップデートにより、インターネットにつながったパソコンが一斉に通信を行う事で、輻輳が発生しインターネット通信が遅くなることがあります。例に挙げたWindowsUpdateは、毎月第2水曜日に行われる定期アップデートがあります。この輻輳による通信遅延に見舞われたときには、待つしかありませんが、通信が完全切断されてしまうことはないので、比較的通信量の少ないテキストチャットやメールなどであれば、影響は少なくなります。

 

・通信回線の問題

インターネットはNTTの光回線などを利用して通信を行います。稀にこの回線障害によって通信遅延などが発生する場合があります。この場合、スマートフォンを無線LANからキャリアの回線につなぎ変えて、光回線の障害情報を確認してみましょう。

 

3. 通信速度の目安

インターネットを利用する場合、それぞれのシーンで快適に利用できる通信速度は以下の通りです。尚、bps(bits per second)とは通信速度を表す単位で、1秒間に送れるデータ量を表します。数字が大きくなるほど大量のデータを送信できるという事になります。

K(キロは1,000倍)、M(メガは1,000,000倍)、G(ギガは1,000,000,000倍)

 

・SNSなどのテキストチャットやメール

128Kbps~数Mbpsが目安です。文字だけの情報は、それほど高速な通信速度は必要ありません。但し、画像や動画を添付すると送信や受信に時間がかかります。

 

・Webサイトを閲覧する

数Mbps~10Mbpsが目安です。一般的なテキスト中心のWebサイトでは、1Mbps程度でストレスなく閲覧可能です。動画などが一緒に掲載されているWebサイトでは、最低5Mbps程度が必要です。

 

・動画を見る

10Mbps~20Mbpsが目安です。動画の場合、解像度(画像の精細さを表す尺度で、数字が大きいほどディスプレイに精細に表示できる)によって異なります。4Kなどの高画質動画では、20Mbps程度が必要になります。

 

現在の光回線のインターネット通信速度は最大1~2Gbps(ギガ)などの記載がありますが、これは理論値で、実際の速度はおおよそ数十Mbps~数百Mbpsです。最近、携帯キャリアでサービスの始まった5Gでは20Gbps(理論値)で、現在のところ200Mbps~300Mbps程度となっているようです。古くなった通信機器は部品の劣化などにより規定の能力が出なくなったり、規格が古く新しい通信回線を最大限に利用できない可能性も出てくるので、定期的に通信機器を入れ替えるようにしましょう。