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<第一回>中小企業のOA化・デジタル化の変遷と当社の取り組み

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<連載> 中小企業のOA化・デジタル化の変遷と当社の取り組み



 

今や企業のOA化やデジタル化は、IT技術やインターネットの急速な発展により、劇的に変化しています。また、この先の未来においては、それらが更に加速していく事は間違いないでしょう。企業はこの急激な変化に対応していかなければ事業への影響も大きく、先行きも怪しくなってしまいます。当社は、中小企業の業務システムを中心としたITの利活用技術をユースウェア(*1)として30年近く提供してきました。これから数回にわたり、これまでの取り組みをご紹介しながら、企業に押し寄せるITやデジタル化の波にどう立ち向かい、またどう乗り越えて行くかなど企業と情報システムとの関わりや変遷にも触れながらお伝えします。
(*1) コンピュータやインターネットなどの情報システムを活用するために必要な技術やサービスのこと

 OA化とは何?


会社の業務に携わる方であれば、もう聞き慣れて今となってはあまり使われない言葉になってきていると思いますが、OA化とはOffice Automation の略であり、仕事として行われる業務処理をコンピュータやプリンタ、ファクシミリ、コピー機などの電子機器や装置を使って自動化して効率アップさせることを言います。1990年頃までの中小企業では、現在のパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)が本格的に活用される前、ワープロ(Word processor / 文書作成編集機)を使い、手書きに変えて文書の作成や印刷に利用されOA化のひとつとなっていました。また、そこに汎用的に利用できるパソコンは、本体・モニタ・プリンタ・アプリケーションソフトウェア(以下、ソフトウェア)などを一式揃えると50万円~100万円近くの費用が掛かりましたが、文書を作成する以外に、表計算やデータベースソフト、そして会計・給与・販売管理などの業務ソフトウェアが登場し、OA化を進めて行く中で省力化も実現できることもあり中小企業が積極的に導入を進めて行きます。

 

パソコンがうちの会社にも来た!でもどうやるの?


中小企業では、1990年代に入ってからパソコンが本格的に普及していく事になるのですが、当時は高価なOA機器であり、現在のように従業員ひとりに一台のパソコンが提供されることはなく、会社に一台というところからスタートでした。色々なソフトウェアが次々と開発される中、特に我々が注目したソフトウェアは、財務会計・給与計算・販売仕入管理などをデータとして扱い効率的な処理ができる業務ソフトウェアです。これまでの手書き帳簿に電卓で計算していた業務が、パソコンにデータとして入力することで業務を短時間で処理できるようになります。そこで経理担当者にパソコンが与えられるようになるのですが、当時はパソコンを触るのが初めてという方が殆どであったため、当社はパソコンの操作と業務ソフトウェアを習得し、そして会計や給与の業務知識を有するインストラクターを養成して提供するインストラクター事業がスタートします。パソコンの電源の入れ方から業務ソフトウェアの使い方、更にキーボードによる文字入力の仕方までもレクチャーが必要な時代でした。

 

赤ちゃんパソコン?でも立派に業務を担う!


1990年代のパソコンのメインメモリーはなんと640KB。今の時代に搭載される一般的なパソコンのメモリーの単位に合わせてみると0.00064GBで、容量の格差さは約10000分の1程度。また、現在のハードディスクに相当する当時のフロッピーディスクドライブ(3.5インチ又は5インチ)容量は1.4MBで、これも現在のものと比較すると100万分の1程度になります。皆さんが普段手にするスマートフォンと比べてもはるかに性能は低いものでした。こんな赤ちゃんのようなパソコンで業務システムとして稼働していたのがウソのようです。それでも業務処理をデータとして扱うことで、計算ミスをなくし、数字の修正が即座に反映され、手書きの納品書や請求書などの伝票が体裁よくきれいに印刷されることで各段に生産性を上げることができました。中小企業が業務データを扱えるようになることで、それらを情報として捉えるようになってきたことを実感したときでした。

 

次回は、インターネットやWindowが登場し、会社に導入されるパソコンがネットワークで繋がった時代の、業務システムの変遷と企業の取り組みについてお伝えします。デバイスやデータが共有できることで更なる生産性が向上し、デジタル化に向かっていきます。