オンプレに比べクラウドのメリット
サーバリプレイスやテレワーク導入などの契機の折、経営者様や企業のIT担当者からオンプレかクラウドのどちらを選択すべきかご相談を頂くことが多くなりました。
結論から述べると、社内サーバ環境とクラウド環境はまったく別物とお答えします。
比べる対象が違うということです。移動時間を短縮する目的に対し、自動車のセダンかワゴンを比較はしません。比較対象は自動車か飛行機の選択肢となります。
結果的に移動時間の短縮を目的とするならばコストが多少かかっても答えは飛行機です。
コスト抑制を優先するならば、渋滞や車両トラブル・ガス欠も想定した自動車です。
ただし、オンプレかクラウドを検討する場合、単純な費用比較だけを検討するのでなく、それぞれの目的に適した運用を目指し、それぞれのメリットや注意点を理解して検討して頂くと良いでしょう。
柔軟に環境変化へ対応
自宅等社外から社内サーバへアクセスする場合は、それなりの設備投資とVPN通信費や保守サポート、トラブル対応、セキュリティなども考えなくてはなりませんが、クラウドサービスは上記のことを考えなくて良い上、社内社外関係なくインターネットさえあれば接続できるので、事務所、シェアオフィス、在宅勤務など環境を問わず、事務所移転や急なテレワーク運用にも対応できます。
クラウドのセキュリティやデータ保護に関しては、自宅の金庫にお金を保管(社内サーバ)でなく、銀行にお金を預ける(クラウド)くらいに安全です。
故障(障害)とライフサイクル
社内サーバは実機ですので、不具合だけでなく当然故障もあり、修理や復旧にも時間がかかります。ハードウェア保証期限もあり、期限内にリプレイスしなくてはなりません。
クラウドサービスは故障も機器のリプレイスもありませんので、業務停止時間は限りなく少ないです。
クラウドサービスは、WindowsOSや業務システムのライフサイクルに合わせてバージョンアップすれば良いですが、社内サーバの場合は、上記ライフサイクル以外に機器の保証期間に合わせてリプレイスするので、入替作業がクラウドサービスより頻度が多くなります。
担当者の負荷軽減
IT担当が専任という会社は少なく、通常業務と兼任していることが多く見受けられます。
サポートや故障対応などで本来の業務が遅れてしまう上、一人で行っているとナレッジが少ないので調べる時間も膨大だと思います。
一部でもサーバをクラウドサービスにすることにより、その環境の構築やメンテンス、サポート対応は任せることができるので、本来仕事に集中でき、無駄な残業も減らすことができます。
また、トラブル時に業者へ連絡し、たらい回しにされ対応に遅れが生じることや、ハードウェアトラブルの訪問対応で待たされるなど、利用者の停止時間の長さが懸念されます。
トラブル時に業務停止時間を最小限に抑える為にもクラウドサービスは有効で、クラウドサービス=システム担当者レスなのです。
以上が運用上のメリットとなります。
以前はBCP対策の視点でクラウドサービスの利用が多かったですが、
近年はテレワーク運用に向けての環境準備やシステム担当者レスのアウトソーシングという理由で導入されることが多いようです。
次回は、オンプレからクラウド運用にした際の注意点をこれまでの導入事例を元に記載したいと思います。